美術館で働く

佐藤暖
上田西高等学校卒業→本学科13年度卒業→14年度〜丸亀市猪熊弦一郎現代美術館勤務

―現在の職業・活動について―
 今は主に、スクールプログラムとワークショップの二つの教育普及事業を担当しています。
 スクールプログラムでは、幼稚園、保育園、小・中・高の学校団体が来館した時、一緒に展覧会をまわって作品鑑賞をしたり、子ども向けチラシの制作といった仕事をはじめ、先生や一般の方と、どうしたら子どもたちが美術館を有意義に利用できるかを話し合い、鑑賞教材の制作や研究、研修会などを行っています。
 ワークショップでは、家にあるような素材を使った工作教室の企画や、展覧会の作品の制作過程を追体験し、展覧会や作品の理解を深める内容の企画、開館記念日といった行事に合わせて美術館全体をフィールドワークする企画など、様々な対象、内容、規模で行っています。
 この他にも、美術館や展覧会の広報活動、展覧会やイベントの設営・撤収といった仕事も徐々に任せてもらっています。


―ASP学科で学んだこと―
 ACOPやARTZONE、インターンシップ、研修会の手伝い、地域プロジェクトへの参加、論文執筆などたくさんの経験をさせてもらいましたが、共通して大切だと思ったことは、「粘り強くやること」と「真摯に応えること」です。
 大学にいる時も、働きはじめてからも、自分が考えてもいなかったことを突きつけられたり、それまでの姿勢や考え方では通用しなかったりして、工夫や変化を求められる場面にたびたび遭遇します。しかし、たとえ失敗したとしても、投げ出さず粘り強く続けていくと、次の手がみえてきて、周囲の人からの応援も後押しし、前進することができると実感しています。それには、ただ続けていくということではなく、相手からの要求、投げかけに対して、考え、工夫して、真摯に応えていこうとする姿勢が大切だと思います。
 偉そうに書いていますが、私も怠惰な態度で失敗することがたくさんあります。だからこそ、投げ出そうとしていないか、真摯に向き合えているのか、自分に問うていきたいと感じています。

―ASP学科の在校生・これから入学されるみなさんへ―
 ASP学科は、やったらやった分だけ返ってくる環境です。後輩の皆さん。逃げることがあっても、時間がかかっても、真摯に向き合ってみることで、何かしら返ってくるはずです。反対に、過去にうまくいっても、トライし続けていく姿勢がないと退化します。 これから入学する皆さん。多かれ少なかれ、同級生、先輩、後輩、先生、事務の職員さんといった周囲の人と関わらずにASP学科は卒業できません。一生関わることがないだろうと思っていたような人とも苦楽を共にし、情けないところをみられもがきながら、自分も周囲も変化していく場面に立ち会えるのは、味わい深い経験です。きっと、楽しいはずです。

 


(2015/4 更新)