美術館で働く
荒井美礼
長野県須坂東高等学校卒業→本学科11年度卒業→12年度〜一般財団法人北斎館(学芸員/事務・広報)勤務

―現在の職業・活動について―
 4回生の夏休みに、学芸員の資格を取るため、地元の美術館、北斎館へインターンに行きました。その際、職員募集をしていることを知り、面接を受けることになりました。 私の場合、ほとんど就職活動という期間はなかったのですが、インターンという場で学んできたことを活かすことができたので、良い結果に繋がったのだと思います。

現在、私は主に下記の業務を担当しています。

■展覧会の企画・運営

・作品の貸出、借用の手配

・展覧会時の設営

・各美術館、博物館、教育施設への案内物送付

■広報

・地域の小学生、中学生への館刊行物の配布(※1 HOKUSAI新聞)

・全国の美術館、博物館、商業施設などへのポスター、フライヤーの送付

・twitter、ホームページ、facebookなどでの展覧会情報の掲載

■研究

・北斎研究所 ※2

・全国の美術館、博物館、図書館、研究機関、研究者などへの研究報告書の配布、寄贈

■制作

・館内ポスター、案内などの制作

※1 マンガやイラストを使って小学生や中学生に分かり易く構成された新聞。 北斎はもちろん、当時北斎に関わった人物などにインタビューした記事で、おもしろおかしく江戸の流行りや歴史が学べるものになっている。

※2 葛飾北斎についての研究はもちろん、北斎と小布施町の関係についてや、 県内、町内などの地域史などの調査、研究も行われている。

―ASP学科で学んだこと―
 まず始めに挙げるのは、ARTZONEでの展覧会企画、運営です。ARTZONE自体が社会と直接繋がっているわけですから、展覧会の運営の仕方が、実践を通して身につきます。作品の展示方法だけではなく、展覧会をするにあたって必要なモノをそこから学ぶことができます。

 たとえば、広報関係について言えば、DMの送り方、挨拶文の作り方、ポスター制作などの際の印刷会社への入稿の仕方、レセプションの開き方などが挙げられます。 次に、徳島県神山町での長期間に亘るフィールドワークです。アートと地域の住民が共存する町に出向き、アートと社会が繋がる場を肌で感じることができました。町の公共施設を使って展覧会を開くことで、人が集まるきっかけをつくり、それを通していろいろな人やモノが繋がって行くのを体感することができました。誰もが作品と向き合える場所、集える場所をアート×人によって作り上げられることを学びました。 在学中に学んだ多くのことは、展覧会やイベントを企画、運営していく上で大きな力になっていると感じています。ARTZONEでは具体的な企画運営術を、フィールドワークでは人と人とが協力する大切さを学びました。


―ASP学科の在校生・これから入学されるみなさんへ―
 学生のうちにしか学べないことがたくさんあります。自分の目で見て、手で探って、いろいろなものに挑戦してみてください。少しでも興味を持ったことには何でも挑戦してみる。今まで自分にはできなかったことができるようになるかも知れません。いくら本を読んだとしても、完璧に知識を得ることは難しい。現場に出て、自分の足で歩き、身体と頭を使って、その場にある新鮮な空気を吸うことで得られるものは大きいと思います。少なくとも私はそうでした。

 ASP学科はこんなことしてみたい!に挑戦できる最適な学科です。仲間と一緒に経験するたくさんのことは、将来の自分の力になります。私も今は学芸員として働いていますが、これからはもっとジャンルを越えていろいろなことに挑戦していきたいと思います。


(2013/5更新)