ミュージアムショップで働く
岩澤和泉
本学科08年度卒業→09年〜東京都写真美術館ミュージアムショップNADiff×10勤務→NADiff a/p/a/r/t フロアマネージャー
※このインタビューはNADiff×10勤務当時に行われました。

 

―現在の職業・活動について―
 都内や地方のミュージアムショップを経営する会社、New Art Diffusion(ニューアートディフュージョン)の支店、東京都写真美術館ミュージアムショップ「NADiff ×10(ナディッフバイテン)」で働いています。2012年5月からは、ショップに併設された「CAFE BIS(カフェビス)」の運営も始まり、ショップ、カフェ、合わせて6人のスタッフで日々働いています。
 ナディッフバイテンでは、展覧会カタログを始めとし、写真にまつわる書籍(和書・洋書)、雑貨、CD、DVDなどを取り扱っています。販売はもちろんのこと、和書の担当として書籍の管理やセレクションの仕事もしています。
 一般の書店と違い、美術館の展覧会によって客層が左右されるので、写真にまつわる専門書や写真集をベースとして、時には文庫やマンガのフェアを催したり、テーマを決めたコーナーを作ったりと、流動的に店内を変えています。
 美術館に来られたお客様が展覧会を観てカタログやポストカードを手に取るのはもちろんですが、そこからもう一歩興味を広げてもらうために、どのような本をどのように置くか、日々勉強しながら働いています。


―ASP学科で学んだこと―
 美術史などの授業で得た知識はもちろんのこと、ACOP、卒業論文、授業でのレポート制作、発表などで培った、「一つのテーマにじっくり向き合い自分の言葉にして人に伝える」という作業が役に立っています。
 人に伝えるためには、自分の中でよく考えられていなければなりません。そして、考えるためには自分で勉強し、知識を増やさなくてはなりません。どの授業からも、自ら動くことの大切さを学んだ気がします。
 また、ARTZONEを始めとするプロジェクトを通じて、どのように人が動いて展覧会やイベントが作られるのか身を持って感じられたのは良い経験でした。そして、その中で得た「あらゆるものに意味がある」という感覚はASP学科で培った大切なものの一つです。
 例えば、1冊の本が出来上がるまでには、書き手一人の力ではなく、編集やデザインや広報、様々な流れがあって、読者の手に届きます。ただ、消費者として漠然と消費していくのではなく、どんな意図があるのか、一つのものが出来上がるまでの背景を感じとれることは今の仕事をしている上でも大切なことだと思っています。


―ASP学科の在校生・これから入学されるみなさんへ―
 明確な目標を持って入学してくる人もいれば、入学した時点では漠然としている人もいると思います。私はどちらかと言えば後者で、美術や本が好きだという思いはあったのですが、それをどのように進路に繋げて行くか、なかなか具体的に考えられませんでした。
 しかし、だからこそ何でもやってみようと思い、意気込んで様々な活動に参加しました。 結果、失敗も多々ありましたが、無駄になったことは一つもありません。失敗した苦い思い出も、振り返ってみると何が悪かったのか今は分かる気がしますし、自分の向き不向きや、好き嫌い、どんなことをやっていきたいかを考えるきっかけにもなりました。
 一人でもやもやしているよりも、飛び込んでみることが大事だと思います。飛び込んだ先でも悩むことはあると思いますが、その分視野が広がり、経験を積むことができるのは確かです。もちろん学科外にも様々な体験はありますが、ASP学科は幸運なことに目の前にたくさんのプロジェクトが転がっています。4年間はあっという間ですから、勉強共々、ぜひ様々な経験をして下さい。


(2012/10更新)