アートNPOで働く
吉田武司
私立奈良育英高校卒業→本学科08年度卒業→08年〜京都文化財団京都文化博物館勤務→09年〜wah documentのメンバーとして参加→11年〜NPO法人キタミン・ラボ舎勤務→15年〜アートアクセスあだち 音まち千住の縁勤務

※このインタビューはNPO法人キタミン・ラボ舎勤務当時に行われました。

 

―現在の職業・活動について―
 埼玉県北本市でアートプロジェクト『北本ビタミン』を企画運営するアートNPOに所属しています。『北本ビタミン』はアートと地域をつなぎ、新たな創造の場を与えることで、まちの日常や、人、活動などからまちの“ビタミン”となる独自の文化を見出し、根付かせていくことを目指しているアートプロジェクトです。アーティストの選定やコーディネート、地域のリサーチやプロジェクトの進行管理、チラシの作成など仕事内容は多岐にわたります。
 現在は、今年改装する物件の契約書の作成やそこでプロジェクトを行うアーティストの選定やコーディネートを行っています。また、地域の人とアーティストを繋ぐために近隣住民や団体への挨拶まわりなども行っています。


―ASP学科で学んだこと―
 ASP学科の授業で今の仕事に役立っていることは、福のり子先生が行っているACOP(Art Communication Project) です。私の活動場所は7万人規模の小さな町です。アートに興味がない人の方が多いため、その環境でアートプロジェクトを行うには、地域の課題を明確にし、その課題に対して何を提案できるか明確な答えを要求されます。その時に、ACOPで訓練したファシリテートするための入念なリサーチと自分の伝えたいことを明確にし、それにとらわれず他者の意見を取り入れながら話をまとめていくという行為は今の仕事に活かされています。


―ASP学科の在校生・これから入学されるみなさんへ―
 今は退任されましたが、僕が学生の時に在籍されていた黒川先生の言葉をみなさんに伝えようと思います。
「愚直なまでに物に即せ」
 この言葉は、それによって起こる「知った気になってしまう」ことへ警鐘を鳴らした言葉だと思っています。ネットや携帯から色んな情報を調べられる時代です。その便利さ故、美術館にも行かず、ましてやカタログを開かなくとも作品を見ることができてしまいます。携帯やPCのモニターでは作品の色やサイズも異なり、また細部も見ることが難しい。実物を観ることによって感じることも変わってくるように思います。人に何かを伝える時には「体験」がなければ伝わりません。そしてその「体験」は眼前での出来事を「観る」ことから始まります。その「体験」の蓄積が人の可能性を広げていくのだと思います。


(2015/06更新)