美術館で働く
金澤咲
大阪府立市岡高校 [普通科]→本学科11年度卒業→兵庫県立美術館(ミュージアム・ティーチャ―)勤務/神戸大学大学院 修士課程
―現在の職業・活動について―
 私は、4月から兵庫県立美術館で働いています。私が所属しているのは、教育支援・事業グループという部署で、こどもに向けてのイベント、学校対応、美術講座やトークショー、映画の上映、コンサート、市民の方が使うための貸し館の管理などを行っています。
   その中でも、私は「ミュージアム・ティーチャ―」という役割で、教育普及の学芸員と一緒に学校やこどもに向けての活動を行っています。主に学校団体鑑賞(小学校〜大学)の担当をしていて、申込があった学校の先生と事前に打ち合わせをして、どのようなプログラムを行うのかを一緒に考え、実施しています。


―ASP学科で学んだこと―
 どの授業も今の仕事に繋がっていると、毎日切実に思っています。その中でも二つあげます。
 まず一つ目は、ARTZONEでの活動です。企画、広報、現場、ワークショップなどの全般を学生達で考え、実践し、場所を運営していました。大きさは違えど、美術館とARTZONEの要素はほぼ同じ。今思うと「すごい」ことをしていたのだと改めて実感しています。スペースの運営というのはかっこいいことだけではなく、徹夜の搬入、ご飯の炊きだし、倉庫の整理に大掃除など、体育会系の仕事もあれば、お金の計算や発送作業などの事務作業もありました。このようなスキルは、あらゆる場面で活躍してくれます。そして、学生時代に身につけたスキルは自信を持っていいことなんだと、社会に出て初めて気付きました。
 二つ目は、ACOP(エーコップ:Art Communication Project)の授業です。私が兵庫県立美術館に採用されたのは、大学時代にACOPを学んでいたからだと思います。しかし、在学中は鑑賞者としてACOPを楽しみ、感動していたのですが、ナビゲーターとしては苦労し、うまく消化できずにいました。兵庫県立美術館では、対話型鑑賞を主に子どもたちに向けて実施しています。新人の私のつたないナビゲートにも「今までの100倍絵をみることが楽しくなった」「学校ではあまり話せなかったけれど、沢山話す事が出来た」などの感想をもらい本当に嬉しく思うと同時に、このような活動を美術館で行う必然性を強く感じています。これからは立ち止まるのではなく、実践しながらもっとナビゲイターとしての腕を磨いていきたいと思います。


―ASP学科の在校生・これから入学されるみなさんへ―
 恥ずかしながら、私はこれといった特技もなく、要領もよくないです。上記にも書いたように、ACOPも満足にできませんでしたし、卒業論文も思うようには行きませんでした。これから私が出来ることは、そのうまくいかなかったことを「継続すること」だと思っています。どうしてもあきらめられないことが、これからきっと出てくると思います。そのときは、どんなに大変でも納得のいくまで続けてみてください。これは、ゼミでお世話になった山下先生の受け売りです(笑)
 そして、今、少しでも興味があることや、やってみたいことがあれば、すぐに行動に移すことをおススメします!ASPには協力してくれる先生方や、相談にのってくれる仲間、そして実施できる場所があるのです(もちろん、大学の外にも)。失敗してもきっと大丈夫です。「今」しかない学生という時間や立場を大いに活用してください。


(2012/7更新)